みなさん「模様替え」ってお好きですか? 私はちょこちょこしたくなるたちで、例えば、季節が変わった時、新しい家具や雑貨をお迎えした時、気分転換したくなった時……、無性に模様替えがしたくなります。そんな私の心を惹きつけたのが、今回ご紹介する事例。
ご家族は夫婦+子ども二人。面積が約71㎡で3LDKの間取りだった家を、「定期的な模様替えをしたい」というお施主様のリクエストを元に、「1LDK」にリノベーション。閉じることができるのはトイレと浴室、シングルベッド1台が置けるサイズの1部屋だけ。ほかはすべての空間がつながっている、ワンルーム的な空間に一新しました。
「レトロな家具で室内を揃えていきたい」と思っていたというお施主様。内装仕上げはその種類を絞り、床は『ワトコオイル』のダークウォルナットで塗装した無垢のパインフローリング、壁はコンクリート躯体の白塗装とシナ合板という、素材感のあるシンプルなもので仕上げ、家具やファブリックで彩っていく空間のベースをつくりました。
リビング・ダイニング・寝室の区切りなく連なった空間は、家具のレイアウトで自由に居場所をゾーニングできます。現在は、一角をカーテンで仕切って就寝スペースにしていますが、気分で寝る場所を変えてもいいし、家具で仕切ってもいいですね。子どもが成長したら、壁を造作したり扉をつくることもできます。
床面や壁面に極力「余白」をつくっているのも、模様替えを楽しむためのポイント。床面に家具を自由に置けるように、棚は窓の上や梁沿いに造作。お気に入りを飾る楽しみもつくっています。
フロアの奥にまとめた収納コーナーにも自由度を持たせました。壁に取り付けた可動収納棚は、棚板やハンガーパイプを好きな高さに取り付けられるので、場所の使い方に合わせてアレンジできるのがいいところ。
ワンルーム的な空間は、玄関から始まっています。玄関を入るとドン!出迎えるのは、造作したオリジナルのキッチン。隣には洗面脱衣スペースがあり、買い物してきた荷物をキッチンに運んだり、帰宅後の手洗いもスムーズな動線計画になっています。
キッチンと洗面脱衣スペースのあいだには、天井に『オーダーマルチバー』が取り付けられていて、カーテンを吊るして目隠しができます。洗面脱衣所を閉じたい時は、入浴時だけ。壁や建具ではなくカーテンで仕切るアイデアは、開放的だし窓からの光は届くし、洗濯作業も快適で、一石三鳥ですね。
洗濯ものの下洗いもしやすそうな大きな洗面器は、研究所や病院などで使われる実験用シンク。白い100各タイルと組み合わせて、ラボのような雰囲気にまとめています。タオル掛けは『ハンガーバー』のステンレス。洗濯ものの一時掛けやタオル掛けに使っているL型の白いハンガーパイプは、造作したものだそう。
キッチンは、下部の収納を見せたオープンスタイル。タオル掛けとツールバーには、『ハンガーバー』をお使いいただきました。オープンな収納はものの出し入れが楽なだけでなく、どんな入れ物を使ってしまうかを考える楽しみもありますね。
ワンルーム的な空間には、好きなところに家具が置けることのほか、「お気に入りのものたちがいつも視界に入る」というメリットもあると思います。間取りや仕上げだけでなく、その空間におさまる家具や雑貨も、住まいの居心地をつくる大事な要素。思いつきや、お気に入りとの出会いがある度に「模様替え」を重ねていく家は、いつまでも新鮮な気持ちで暮らすことができそうです。
※こちらの事例はimageboxでも詳細をご確認いただけます。
株式会社 SMART ONE DESIGN
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