調布の旧甲州街道沿いにある商店街の定食屋さん。
「レトロエイジタイル」は、昔よくみかけたあの時代のタイルという意味をこめて名付けたのですが、今回は、まさに、そんな懐かしいタイルが外壁に貼られた建物の店舗リノベーション。
タイルが新旧をつなぐ、デザインのアクセントになっています。

築40年の2軒隣り合う建物の外壁には、元々レトロエイジタイルのブラウンに似たタイルが貼られていました。
きっと前を行き来する人には、いつもの見慣れた光景。
そのイメージが店舗の中にも引き込まれるように、厨房壁面とカウンターへと新規の「レトロエイジタイルのブラウン」が続いていきます。

あえて看板のない、エントランス。
「廃材シェードランプ ARECIBO」が目印。

店は、店主がお一人で切り盛り。
美味しい魚の定食が楽しめます。

コーナーは役物タイルを使ってすっきりと。
カウンター、タイルの目地は金色のパール塗料が塗られています。
新しいのに、ピカピカすぎない、細部に気をつかったデザイン。
お客さんからも、この(室内の)タイル元からあったの?と聞かれるそう。

リノベーションは、建物が元から持つよさ、思い出をどう引継ぐかも大事なポイント。
建物が立て替えで取り壊された更地になった途端、前が何のお店だったか思い出せないことがありますが、こうして見慣れた風景の一部が、お店が新しくなってもうまく継承されていくのは粋ですね。
店主のスタンスが伝わってくるようです。

 

お食事処アナログ
営業時間:11:30~15:00 / 18:00~24:00
定休日:日、祝
住所:東京都調布市布田2-24-3
tel: 042-480-0121
※掲載時点での情報です。最新情報はお店にお問合わせください。

 

印牧洋介設計

三鷹に事務所を構える一級建築士事務所。店舗から住宅まで。

既存の空間の文脈を読み解き素材を組み合わせるのがお上手です。

mail:info@kanemaki.org

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