今回ご紹介するのは、名古屋市にある95㎡のヴィンテージマンションを購入しフルリノベーションされた、音楽や映画、アウトドアにファッション・・・などなど多趣味なご夫婦のお住まいです。

家とは、くつろぐ空間であるとともに、毎日の生活を積み重ねる場所でもあります。好きなものに囲まれながら、いかに楽しく機能的に心地よく暮らせるか。そんな工夫が散りばめられたお家から、理想の家づくりのヒントを紐解いていきたいと思います。

まず目を惹くのは、リビング脇に設置されたオリジナルのDJブース。

上部の室内窓の抜けもいいですね。

レコードとCDのサイズちょうどに作られた収納のおかげで、とてもすっきりとした印象に。日当たりのいいリビングでくつろぎながら、お気に入りのレコードをかけて過ごすのびやかな時間。音楽が生活の一部に溶け込んでいる様子が目に浮かびます。

そして、驚くべき特徴がもうひとつ。なんとこのお宅、リビングの一角に洗面スペースがあるんです!

腰壁は珪藻土でムラを出すように仕上げたのだそう

打ち合わせ中に「リビングでメイクをする」という奥様の話を聞き、ならばと考え提案したものなのだそう。セミクローズドの明るい開放的な洗面スペースです。

音楽を聴きながら、会話をしながら、珈琲を飲みながら・・・ゆったり身支度ができる気持ちのいい空間に。かくいう私もリビングメイク派の一人なので、こんな洗面あこがれます・・・!

グリーンが飾られた眺めのいい窓辺は、フローリングからモルタルに切り替えインナーテラスに。これなら水をこぼしても安心ですし、台風のときなど、バルコニーの植物たちを非難させるのにも大活躍なんだとか。

吊ったり置いたり。サイズ感の異なるグリーンが窓際を華やかに彩ります。

ラワン仕上げのカジュアルなキッチンは、Ⅱ型といわれるコンロとシンクがセパレートしたタイプ。

ご夫婦の持ち物や暮らし方にあわせて製作されたオリジナルのキッチンなので、使い勝手は抜群。気持ちいいほどに、キッチンツールが綺麗に整い収納されています。

作業スペースが広いので二人並んで作業ができます。

こちらのキッチンに『フラットレンジフード』と『ハンドホース水栓』を使っていただきました。

キッチンの奥はパントリースペースになっています。
そのまま、脱衣所、そして玄関に抜けられるつくり。

洗面スペースともつながります。

実は動線にもちょっとした工夫がされています。

買い物帰りには、玄関からそのままキッチンへショートカットでき、普段はウォークインクローゼットやリビングへ抜けられるという具合に、玄関からの動線が2つに別れているんです。

少しでもストレスなく家事ができるようにと考えた工夫なのだそう。

ダイレクトにキッチンへ抜けることができる便利な動線

リビングやWICへ向かう動線

かさばるキャンプ道具や洋服は、寝室に併設された大容量のウォークインクローゼットに。

棚の背面を有効ボードの仕様にするあたりも気がきいてますよね。空間を無駄にせず、有効に活用する術。

帰宅後、さっと荷物をかけてリビングへ向かえる。毎日の暮らしへの細やかな配慮をここにも感じとることができます。

機能的な過ごしやすさと自分たちの好きが同居した、気持ちのいいお家の事例、いかがでしたでしょうか。

自分が家でどういうふうに過ごしているか。気分が上がるのはどんな時か、逆に気持ちよくないと感じるのはどの部分か、など具体的に考えてみると、自分に必要な形が見えてくるかもしれません。

(ヤマキ)

エイトデザイン株式会社

リノベーションを名古屋・東京で手がける一級建築士事務所。店舗デザイン、オフィスデザイン、インテリアショップ、カフェ運営なども手掛けています。

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