長屋の特徴でもある奥に細長い形状を生かすため、細かく仕切られた元の窮屈な間取りから、可能な限り仕切りを取っ払い、キッチンを中心に部屋の隅々まで風が通り抜ける縦長の広々したLDKに変更。

水回りも壁や建具で仕切らず、回遊できるようにしてスムーズな動線を確保。奥行きを感じさせる抜けのある間取りを心がけたのだそう。

その他にも階段の立ち上がりやガラスの建具など、できるだけ空間に広がりをもたせるための工夫が随所に散りばめられています。

空間を広げるため、リビング側の壁を取り払いスケルトンにした階段。

階段の立ち上がり部分を無くして抜けをつくる。構造上の問題はアイアンで補強をいれることで解消。

玄関土間の2箇所の扉は、大きなガラス入りのものを採用。使われているのは「木製パインドア ガラスドア」タイプ。

既存の梁がのぞく天井。梁の存在感を生かすため、照明は配線ダクトをセレクト。

リビングは、古民家の雰囲気が好きというお客様のため、既存の梁を活かしたつくりに。

ダイニング側にも収納スペースを設けています。

なによりこだわったというキッチンスペースには、ショールームで一目惚れしたという憧れの造作キッチンが。予算の兼ね合いで他のキッチンになりそうになったけれども、「これだけはどうしても諦めきれなかった」と奥様。

背面にも同じラワン合板でつくられたカップボードを設置し、十分な収納スペースを確保。

以前の暮らしとの一番の変化は、「料理のモチベーション」と語るお客様。

「前までは、朝ごはんは食パンやヨーグルトなどささっと準備できるものばかりでしたが、今は早起きしてサンドイッチを作ったりするようになりました。娘も手伝ってくれて、カフェっぽく盛りつけてくれるんです(笑)

以前は使いにくい部分が色々とあって、娘と一緒に料理するなんて考えられませんでした。でもそれが今では、一緒にキッチンに立って料理ができるようになって本当に幸せです。」とうれしそうに話してくれました。

リノベーションをきっかけにお客様の暮らしが広がっていくエピソード、いつ聞いてもうれしくなりますね。

株式会社美想空間

美想空間が得意にしているのは、戸建てリノベーション。毎日のふとした時間に豊かさを感じられるような、日常の余白=「あそび」を楽しむことができる、「あそび」のある暮らしを提案します。また、自社で運営するリノベーションのショールーム複合施設『KLASI COLLEGE(クラシカレッジ)』では、そんな「あそび」のヒントになるような普段の暮らしがちょっと楽しくなるワークショップやイベントを開催したり、美想空間のスタッフ自ら選書した本コーナーを展開しています。

  • 写真の「フラットレンジフード アイランド型 W750 ホワイト」は仕様変更前のもので、現在販売しているものとは仕様が異なります。(仕様変更前:全艶塗装 → 仕様変更後:2分艶塗装)

関連する事例記事

あわいをたゆたう家
あわいをたゆたう家
必要な機能を配置したら、間を土間と路地で繋ぐ。その路地が行き止まりなく外まで貫通していく家。家の中と外の境界を曖昧にするような戸建てリノベーション事例です。
実家と庭と、あたらしい住まい
実家と庭と、あたらしい住まい
今回ご紹介するのは、ご夫婦と子供2人の4人家族のお住まいです。 子供の成長を機に賃貸マンションから一軒家を検討する中、ご主人のお父様の提案で、実家の広い庭を分割して新たに家を建てることを決められたそう。既存の庭をなるべく残すため新築はコンパクトにしつつ、豊かな暮らしをつくる工夫が詰まった住まいをご紹介します。
ずらして、映して、灯して。移ろいに目が向く住まい
ずらして、映して、灯して。移ろいに目が向く住まい
30代男性がリノベーションした64㎡の住まい。一見すると、無駄な要素を取り払ったミニマルな空間ですが、目を凝らすと日々の移ろいを享受するための工夫が散りばめられていました。
「好き」の中に暮らす
「好き」の中に暮らす
お施主さんとその娘さんが二人三脚で進めたマンションリノベ。自分たちにとっての居心地の良さを大切にしてつくったインダストリアルな空間で、趣味であるサバイバルゲームの道具と共に暮らす住まいです。