「家づくりが具体的になる前から、カーテンは絶対これにしようって決めていたんです」
と話してくださったお施主様。imageboxでその事例を見て設計を依頼したという、ストレートデザインラボラトリーと建てたお家があるのは、飯能にある住宅地の高台。窓から見えるのは山と空という、抜群のビューです。でも、日差しを避けたり、近隣からの視線を遮りたいときもあります。
「このtoolboxの『ガーゼカーテン』は、光の透け具合がいいですよね。夜に家の照明をつけていても、明かりが灯っているのはわかるけど、窓辺に立たなければシルエットも外から見えにくい。透け感がちょうどいいなって」
窓辺でふんわりと風に揺られるカーテン。カーテン越しのやわらかな光の中で過ごすLDKは、とても気持ちが良さそうです。
「ガーゼのカーテンがいいなと思っていろいろなお店の商品をみていたんですが、薄手すぎたり、黄色味が強すぎて、ちょっと野暮ったい印象を覚えたり。そのあたりが、このカーテンはちょうど良かった。ショールームで実物を見ずに買ったのでちょっと不安でしたが、届いた実物を見たらとても良くて、すごく気に入っています」
山を眺めることができる建物南側の窓はピアノ室以外、すべて木製サッシ。建具の木と、少しアイボリー寄りの白にしたという壁に、『ガーゼカーテン』のやわらかな質感と色合いがしっくりきています。
高台の上に建つお家。
庭の植栽は飯能のエクステリア&ガーデン専門設計事務所『アトリエ ナナ』に依頼したそう。木製窓がずらりと並ぶ外観に緑と空の青が映えます。たっぷり光が差し込む2階南側の窓辺はどうなっているかというと……
家族4人それぞれの個室に続く廊下です。
一般的に、建物の南側には居室が配置されがちですが、この家では明るい南側を幅120cmの廊下にして、布団を干したり、本を読んだり、布団を持ち込んでゴロ寝をしたりするセカンドリビング的に使っているのだそう。ここでお昼寝したら気持ちよさそう……!
「よく、2階にはバルコニーをつくるじゃないですか。でも、屋外なので汚くなりやすいなと思っていて、お手入れのことも考えてバルコニーは要らないと言ったんです。代わりにこんな贅沢な空間ができました。寝室が北側なのも、静かで落ち着いていていいですよ」
1階と2階をつなぐ吹き抜け階段の上り切ったところには、『ガーゼカーテン』より厚手の『シーチングカーテン』を使っていただきました。
2階の空調効率を高めたい時に閉めているそうです。カーテンをかけるようにあらかじめ設置したバーは、グリーンをかけたりほかの用途にも使えそうですね。
1階のトイレに使っていただいたのは、『ミニマルペーパーホルダー シングル』。「定番と呼べるものが好き」というお施主様。
100角タイルを腰高さまで貼り上げたちょっと昭和レトロ感漂う空間に、ミニマルペーパーホルダーのストイックで武骨な佇まいがアクセントになっています。
ドアノブでもドアハンドルでもなく、真鍮製の取っ手を取り付けた木製ドアの玄関。
足元を照らすように壁に佇むのは『看板灯 スモールブラック』です。雨樋は黒ではなくブラウンをセレクトしているところにこだわりを感じます。
カーポートから庭を通って玄関に続くアプローチ部分にも、『看板灯 スモールブラック』が。
ちなみにこの外壁、何の素材かというとフレキシブルボード。セメントと繊維を混ぜて作られた内外装材で、通常は下地材として使われることが多いものです。
大きな板状のボードを細長くカットして、下見貼りをしています。サイディングよりも質感がナチュラルで、コンクリートよりもやわらかい雰囲気ながら、シャープ。庭の緑ともよく似合っています。
もともとインテリアや生活雑貨が好きで、家づくりを始める前から、imageboxなどさまざまな媒体で住宅事例を見たり、toolboxを始めいろんなサイトやお店で建材やパーツをリサーチするなど、「自分らしい家」づくりの妄想をし続けていたというお施主様。
自分のライフスタイルや趣味嗜好、家族の生活習慣をじっくり見極め、最適な形と配置、自分の好みを反映し尽くしたこの家を、「私そのもの」と話します。
「夜に帰宅したとき、カーテンから光が漏れる家の姿を見ては、“良い家だなぁ”と感慨にふけっています」
窓からの景色だけでなく、窓辺ごと眺めていたくなる風景がある家。外から見た時にも家と暮らしを美しく演出する窓辺。「窓辺のデザイン」が住み心地に与えるものの大きさを感じさせてくれるお宅でした。
(サトウ)
- 「看板灯 スモールブラック」は販売を終了しました。
straight design lab / ストレートデザインラボラトリー
東京で活動する一級建築士事務所。建築の設計・監理、戸建て住宅やマンションのリノベーション、店舗デザインを行っています。