静かな住宅街でちょっと目を引くグレーに木窓がアクセントのかわいい切り妻屋根の建物。
幼少期には、祖父母が洋食屋さんを営んでいたという思い入れのある場所で、カフェを営み、その上に、自分と両親、祖母と、親子3代で暮らす、そんなお家をご紹介します。
道路正面は、カフェとしての入口のみ。
住居の入口は建物裏にあります。
1階はほぼ全面がカフェとして利用されているため、住居部分はエントランスのみ。階段をのぼった、2階、3階がメインの居室となっています。
2階に入る階段室側の白い引戸には、『真鍮金物 とって6角棒コの字』が。
『真鍮金物とって6角棒コの字』横から見た時の立体的なフォルムが特徴的。みなさんに日々触ってもらうことで、くすんだいい色味に育っていくことでしょう。
2階は、メインのリビング、ダイニングにキッチン、お風呂があります。
大きなキッチンと、リビングスペース。
キッチンの逆サイドにはバスルームが。あえて壁などでふさがず、使う時だけカーテンを閉めると割り切った開放的なつくり。
家具のような木と陶器の洗面台は、設計を担当したTENHACHIさんのオリジナル。
3階は、2階とは趣の変わったラーチの空間が広がっています。
ご両親が使うリビングスペースには、『ラーチの吊り戸棚 W1200』を2つ低い位置に並べて付けて。ラーチの壁に合わせた造り付けのような雰囲気。
元々キッチン等での吊り戸を想定してつくった商品ですが、このテレビボード的な使い方もいいですね。床に直置きでなく、ちょっと浮いてるのもすっきり見えるポイント。
ソファの後ろは寝室になっています。
将来的な変化にも対応できるよう、自由度の高いつくりの3階。
勾配屋根のおかげで山小屋風です。
2階と3階に3世代が、生活時間帯もバラバラに同居するこちらの家。2階のメインのキッチンとは別に3階にもミニキッチンがあったり、3階にもシャワー室があったりと、ストレスなく暮らす工夫があちこちに。
同じ建物なのに、縦に長い奥行きを活かして、フロアごと、色々な表情の空間があるのが、面白いですね。
ありがとうございました。
1階のカフェスペースの記事はこちらです。
(来生)
- 「ラーチの吊り戸棚 W1200サイズ」は販売を終了しました。
TENHACHI ARCHITECT & INTERIORDESIGN / てんはち
建築設計、リノベーション、インテリア・家具デザインを行う一級建築士事務所です。
.8 / TENHACHIとは「0.8」。20%の「余白」がある状態です。
私たちの描く完成予想図は、工事が完了した時ではありません。時間の流れと共に、人が使うことで、いい風合いになっていく。大切に使われ続けることで、長い年月をかけ100に向かうような建物や空間を創ることが、私たちの想い。そんな「未来」を思い描くような未完成なデザイン活動でありたいと思っています。