以前にも『skeleton & tools』を利用して、所有しているオフィスビルの1部屋を改装したオーナー様。さらに2部屋お願いしたいと、ご相談をいただきました。(以前の改装の様子はこちら)
築50年を超えた、エレベーターもない古いビル。さらに28㎡、38㎡と小さな区画で、一般的な事務所内装ではなかなか集客が難しい状況でした。
前回の部屋はほぼスケルトンに近い内装にしましたが、今回はさらに目を引く一手を盛り込みたいというご要望でした。
「skeleton & tools」では、天井や壁、床の仕上げ、電気工事などオフィス空間の基本となる改装を行う「skeleton base」に、「&tools」という様々なオプションを追加して、空間を自由にアレンジすることができます。
そこで今回は、「&tools」の中からアクセント壁を取り入れることで、印象的な「オフィスの顔」をつくり、物件のセールスポイントとすることにしました。
アクセント壁として採用したのは、ストレートなラインがシンプルな『ウッドウォールパネル タモ柾目』。
ニレ板目とタモ柾目の2つのバリエーションがある壁材で、今回は少し都会的な印象を持たせたかったので、木目があっさりしているタモ柾目を採用することに。
こちらは塗装工事の様子。使用したのは『ワトコオイル クリア』で、無塗装時の素朴な表情から、艶やかな表情に変化しているのがわかります。
「ウッドウォールパネル」の無塗装品は、着色で好みの雰囲気にアレンジできることも特徴。この部屋では、黒くズッシリとした印象の土間とバランスを取るために、クリアで明るめに仕上げました。
もうひとつのポイントは、巾木や廻縁をあえてつけなかったこと。
床面からスッと板壁を立ち上げ、梁下もそのままで納めることで、「ウッドウォールパネル」の存在感が際立ち、より印象的な壁面になりました。
給湯室は『ミニマルキッチン』のみ!でシンプルに仕上げました。バイブレーション加工の天板は傷が目立ちにくい、と賃貸でも好評。潔いフォルムと質感で、ラフな空間とも相性が良いキッチンです。
トイレには壁付け照明『マリンデッキライト』を設置しました。明かりを灯すと浮かび上がる十字の紋様が、コンクリートを直に白塗装した壁を彩ります。
エントランスは既存のドアに、新たに塗装を施しました。元のアイボリー色から深いブルーグレー色に塗り変えることで、重厚感を演出しています。
「skeleton base」では、床の仕上げを「土間」「フローリング」「カーペット」の3つから選ぶことができます。今回は土間プランをお選びいただきました。
土間プランの場合、既存の仕上げを剥がしてみるまでその下がどんな表情になっているかわからないので、私たちも毎度ドキドキしています。
今回は古いPタイルを剥がしてみると、黒ベースに少し茶色味がかったマダラの表情が現れました。
これはこれで面白い表情だったのですが、今回目指す空間の雰囲気に対して少し大味すぎたので、既存の表情を活かしながら黒染めしてお化粧直し。
毎回判断の難しい土間プランですが、建物の個性が表出する部分なので、どう対処するかを考えるのが楽しいプランでもあります。
「skeleton base」で空間をシンプルに整えつつ、「&tools」でウッドウォールパネルを加えることで、オフィスの顔となる印象的な背景をつくり上げることができました。
クールな土間と、柔らかな雰囲気をもたらす板壁。程よい緊張感を持ちながら働けるような、そんなオフィス空間になったのではないでしょうか。
現場からは以上です。
ツールボックス工事班|TBK
toolboxの設計施工チーム。
住宅のリフォーム・リノベーションを専門に、オフィスや賃貸案件も手がけています。
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