撮影:衣笠名津美

イギリス・ロンドンの建物に憧れて

「旅で訪れたロンドンの風景を取り入れたい」と、中古マンションをリノベーションしたMさん夫妻。

ロンドンでうけたインスピレーションのなかでも、特に印象的だったというのは、ロンドンの高級エリアにある喫茶「sketch London」。

ぜひこちらからその空間を見てみてください。

壁一面ピンク色の広間にベリー系のケーキのようなピンク色のソファ。ピンク色に染まった空間に、白いテーブルクロスや照明の白や、アートの差し色が映えています。ゴージャスでありながら、カジュアルさも感じる非日常的な空間。

「ぜひともこのピンクを自宅に取り入れたい」そこから家づくりが始まりました。ご自宅をのぞいていきましょう。

床に個性、際立たせる白

シューズクロークにかけられたアートやラグがアクセントカラーになっています。(撮影:衣笠名津美)

玄関をあけてすぐ目に留まるのは、チーク無垢材のフレンチヘリンボーン床。玄関は、床や壁、ドアまでもが白く、ヘリンボーンの廊下に自然と視線が引っ張られるよう。

ソファやチェア、キッチン床のタイルはネイビーで揃えて、アクセントカラーに。(撮影:衣笠名津美)

モールディングを施した框戸を横目に、ヘリンボーンが続く廊下をまっすぐ抜けると、白を基調にしたリビングダイニングが。

「古い空間にモダン家具を置きたい」というMさんの希望を叶えた、クラシカルとモダンを融合させた空間になりました。

アール壁は全艶ペンキ仕上げでさりげないアクセントに。曲線を取り入れるアイデアも実は「sketch」から受けたインスピレーションから。(撮影:衣笠名津美)

壁のモールディングや、ヘリンボーン床という象徴的なデザインをベースに、ロンドンのデザイナー、デヴィッド・チッパーフィールドのソファ「AIR FRAME」を真ん中に。さらに直線的なフォルムの家具やステンレスキッチンなどを取り入れ、クールな雰囲気にまとめています。

直線的なフォルムをメインにしながらも、随所に曲線を取り入れる。(撮影:衣笠名津美)

壁のアートもカーペットと色味をあわせて落ち着いたトーンに仕上げています。(撮影:衣笠名津美)

ベッドルームも壁やカーテン、照明まで白でまとめるなか、床はネイビーの柄カーペットに。高さのあるフレームとマットレスをあわせた大きなベッドが部屋のほとんどを占める、贅沢な安らぎの空間です。

トイレの床はビタミンカラーで元気な印象に。(撮影:衣笠名津美)

主役カラーは壁一面に、床の白で締める

そして、パウダールームがこちら! 冒頭でお伝えした「sketch London」のピンクをイメージした空間です。

濃いピンクのキャビネットや紫のドライヤーがアクセントになっています。水栓は、『壁付けセパレート混合水栓』のサテンをあわせて。(撮影:衣笠名津美)

本場の空間にあわせて、壁と天井をピンクのクロスで仕上げ、床は白でまとめました。

他の空間は、壁や天井は白で揃え、床を中心にカラーや素材を取り入れていたのに対し、パウダールームだけは逆に、ピンクを思い切って取り入れる。「一番叶えたかった」というMさんの思いが伝わってくるようです。

ティーテーブルを想起させる洗面台に、白さが特徴の「人工大理石の洗面カウンター」を採用していただきました。

真っ白な人工大理石は、よく見る陶器の洗面ボウルよりも光の反射が抑えられ、やわらかい印象。テーブルクロスをイメージした“布の白”に近かったかもしれません。

洗面から続くウォークインクローゼットも同じピンクのクロスで一続きに。(撮影:衣笠名津美)

どうしても叶えたかった「sketch London」のピンクの空間。でも、もしリビングや寝室に取り入れていたらちょっとテンションがあがりすぎてしまうかも? そんなところを、朝の支度や帰宅後に使う空間に取り入れバランスをとりました。朝からいつもより少し口角が上がりそうです。

ピンクのクロスはあらゆるサンプルを集めて検討したそう。「最後まで、本当にこの色でよかったのか不安でしたが、結果これでよかった!」とMさん。

具体的な理想に近づけるために、微妙な色の違いや質感はとっても重要。そんな大切な空間に取り入れていただき、光栄に思います。

(庄司)

株式会社アートアンドクラフト

建築設計/施工/不動産仲介/建物再生コンサルティングのプロ集団です。
大阪・神戸・沖縄を拠点に、マンション1室からビル1棟まで既存建物の再生を得意としています。

大阪R不動産も運営しているtoolboxのグループ会社です。

  • 写真の「壁付けセパレート混合水栓 洗面用 サテン L178」は仕様変更前のもので、現在販売しているものとは仕様が異なります。
担当:庄司

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