神奈川県葉山町にある撮影スタジオで、パーケットフローリングをお使いいただいています。
こちらのスタジオ、以前は水回り機器メーカーのショールームだったそうで、リノベーションを行い撮影スタジオに生まれ変わっています。
既存のフローリングの一部をパーケットフローリングに貼り替えていますが、既存のフローリングもパーケットフローリングも極力カットをしないで済むように、見切り材の幅で調整されていました。
とても上品な色合いに塗装されたパーケットフローリング、塗料はオスモを調色されて塗装されたとのこと。まわりの既存の床材ととてもよく馴染んでいました。
実は、こちらのパーケットフローリングですが、施工後しばらくしてフローリングの一部が浮いてきてしまったと連絡をいただき、メンテナンス業者の方と一緒に伺いました。
到着してみると、高台の上に建つ一軒家で、窓からは葉山の山と海が見えるロケーションで、天気の良い日は富士山が見えることもあるそう。抜群の眺望に気分も上がりつつ、肝心のメンテナンスです。
フローリングを確認したところ、表面の単板が少し浮いてきてしまっていました。
こちらのフローリングは複合フローリングと呼ばれる種類のもので、天然木を薄く挽いて単板にしたものと合板を接着剤で張り合わせることで、木材特有の変形を抑え、反りにくくしたフローリングになりますが、今回は接着剤が単板の動きに負けてしまい、単板が合板から剥がれて浮いてしまっていました。
メンテナンスは、フローリングとフローリングの間の部分、実(サネ)と呼ばれる箇所に、とても小さな穴をあけて、そこから注射器で瞬間接着剤を注入。
体重をかけて抑え込むと、単板の浮き上がりは無くなりました。
もちろん最後には穴の補修を行い、とてもきれいに修繕していただきました。
木は天然物なので、どうしてもメンテナンスが必要になることもあります。
でも、必要に応じて手を加えつつ大事に扱えば、経年変化も含めて末長く楽しむことができます。このフローリングが、どのように味わいを増していくのか気になる、そんな現場でした。
(ヤマモト)
M/N STUDIO HAYAMA
神奈川県三浦郡葉山町下山口520-6
http://mn-studio.jp/