昭和のまま時が止まった古い賃貸ビルの一室。
ただし、場所は若者に人気の町で、駅からも近い商店街沿い。
中を替えればまだまだニーズはあると、一人暮らし、又はカップルを想定してほどよい按配にリノベした事例です。
兄弟サイト東京R不動産のリべーションサービスでコンサルティングをして、賃貸募集も行いました。
玄関扉は塗装の塗り分け含め、オリジナルのまま。
このイエローを切り口に、玄関の壁は一面マスタード色に。
「足場板の床」を長い棚板として使い、「棚受け金物」で下駄箱兼、ディスプレイにも収納にも使えるオープン棚にしました。
玄関は元々狭いスペースだったのですが、自転車置き場がない建物だったため、自転車を室内に置けるよう、広くしてあります。
ちょっと引くとこんな感じ。
左の壁にはコート掛け用のフックを3つ。こういう細かい気遣い大事です。
↑BEFORE 右の白い壁のあたりまで、玄関を広げました。
パーケットは渋くてよかったのですが、いかんせん古すぎましたね。
古いキッチンは入れ替えて、後ろのデッドスペースには扉付きの収納を増設。
シナの扉には、「ハンガーバー」を把手替わりに。タオルなどちょっとしたモノもひっかけられます。
キッチンは大きな窓もあっていいのですが、手元灯をつける壁面がないので、窓上に「棚受け金物」とシナ合板で棚を設置し、その下に手元灯をつけて。
玄関から冷蔵庫が丸見えにならないよう、目隠しの衝立も設置しました。
玄関側からみた様子。
キッチン脇の壁には、スパイスなど細かいモノが置けるように、奥行きの浅いスパイスラックを造作。
メインの居室です。
角部屋で明るい室内。元々は和室のふすまで2部屋に別れていたところを取り払い、大きな一室にしました。
床は廃盤になってしまった「麦わらボード」です。
照明は、シーリング用のローゼットにつけられる「簡易取付式ライティングレール(旧式)」に「配線レール用スポットライト」ソケット型LEDミニクリプトン(旧式)を。
↑BEFORE
奥からみたところ。
寝室は目隠しできるように、大きなバーを設置してハトメのカーテンを吊るせるように。
右奥は押入だったスペースを玄関脇に収納を別で設けたのでデスクスペースに。
下のデスクは、折り畳みできる金物を使っていて、使わないなら畳める方式。
デスクはいらないから置き式の収納を置きたいというような方に対応できるように配慮してあります。
水まわり。
レトロなビルなので、実験用シンクを。
脱衣所照明には「工業系レセップ」ソケット01。床は、あえてレトロな雰囲気がでるような色味のPタイルを合わせました。
古ビルリノベの場合、いくら室内をツルピカにしても、共用部などは元の古いままだったりします。
レトロな雰囲気を残しつつ、どう手を加えるかがポイントですね。
(来生)
株式会社Drawer | ドロワ
個人住宅、賃貸住宅、賃貸オフィスや店舗のインテリアデザイン及び内装工事を行う設計施工会社。
空き家を借り上げてリノベーションを行い、賃貸運用するサブリース事業も行っています。スチールプロダクトの企画・制作・販売も手掛けています。