築古の木造アパートをどうしたら魅力的に、バリューアップできるのか。

入居者があえて、築古でもここがいいと決めるのって、きっとこういう雰囲気を求めてるんだろうな。

そんなツボを抑えた、リノベーション事例です。

面積は約49平米と、2人暮らしから小さいお子様がいる家庭までもがターゲットになるこちらのお部屋。

床を、天然木のリズム感と節などのラフがほどよい「ラスオークフローリング」に。壁と天井は、真っ白くしました。

リビングダイニングと隣の部屋は、引き戸で区切って、一体的にも使えるように。

上の欄間は、元々垂れ壁だったところを改装して、木枠に透明アクリルをいれたことで、日当たりがよくなりました。

デッドスペースには、あらかじめ作り付けの棚を用意してあります。こういう部分大事!

逆側からの眺め。木がアクセントになった室内で、選ばれたキッチンは「木製ミニマルキッチン」のラワンでした。

4口コンロでお料理好きな方には嬉しいスペック。

キッチンの下は、ゴミ箱を置いたり、可動ワゴンを置いたりと、入居者さんの使いやすいようにカスタマイズしてもらいます。木製とホワイトのミニマルホワイトキッチンシリーズは、最小サイズ以外は真ん中に引き出しがあります。カトラリーなどの細かいものは引き出しに収納可能。

上部には「ラーチの吊り戸棚」と「キューブ型レンジフード」。

さらに、キッチンの幅いっぱいにバーをつけて、キッチンツールを掛けたり、フキンを掛けたりと、自由にアレンジできます。

壁面に冷蔵庫用とは別のコンセントもついているので、ミキサーを使ったりするのにも使えますね。

こういう細かい工夫がちりばめていると、ご案内時も、ちゃんと考えられてる物件だなとぐっときます。

正面から。ぴったりおさまってます。

洗面スペースは「ミニマル洗面台」のラワンに「ニッケルサテン水栓」を合わせて。

狭いスペースでは、床部分があいているとすっきり見えますね。こちらの洗面台は、キッチンと違い引き出し収納がありませんが、幅広の洗面台の縁と、箱型の鏡にちょっとした小物がおける仕様。

「ハンガーバー」のステンレスをタオル掛けに。

トイレの中には、「木のペーパーホルダー」が。細部まで木のアクセントづくし!

しかも、このペーパーホルダーは、携帯などが置けて便利なんです。

予算の制約がある中で、見栄えをつくる部分と、使いやすさをどう両立させるか。

特に、木造の賃貸アパートでもいいとする方って、築年数は気にせず、古さをいかしたレトロな味がでていればいい、逆に広さや収納力をとるって方が多いと思うので、見事にそのツボをおさえた好事例でした。

設計の笹本さんからは、

「賃貸物件の場合は、作り込み過ぎない、がらんと作らな過ぎない。言い換えれば、愛着のきっかけとなれる素材やプロダクトを必要最小限でしつらえるということを考えモノを選んでいきます。そこにtoolboxの製品はハマることが多いです。」と嬉しいコメントいただきました。

こちらのお部屋、完成後はグループサイト「東京R不動産」で募集して、すぐに契約となりました。
ありがとうございます。

(来生)

  • 「ラーチの吊り戸棚 W1200サイズ」は販売を終了しました。

studio niko / 笹本直裕 + 佐藤研也

東京と故郷である仙台の二拠点を中心に活動する二人組。
賃貸物件の1棟改修、分譲住宅、シェアハウスといった事業性とデザインが複雑に絡む案件から、拘りを実現する戸建て住宅や飲食店、アートギャラリー、展覧会の会場構成まで。分野に限定されない設計活動を続けています。

「多層的な発想と経験をもとに1件1件の企画・設計を丁寧に進めたいと考えています。」

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