今回、リノベーションを行ったのは、オーディオブランド「final」のオフィス。「音楽から高揚感を得られるような音質設計」にこだわり、イヤホンやヘッドホンを展開している音響ブランドです。
本社が入るこちらの建物は、もともとは予備校校舎だった建物。toolboxの定額制オフィス改装パッケージ『skeleton&tools』をベースにして、空間をつくっていきました。
エントランスの正面受付には、通常は構造材として使われるデッキプレートを仕上げとして使いました。
デッキプレートに鈍く写り込んだ背景や、光と影のシルエットが近未来的な印象を与えています。
床は既存のタイルをはつって新しく土間を打設。
その上から光沢のあるエポキシ塗装をかけて、つややかに仕上げました。
エントランスのデッキプレート壁の対面には、商品のディスプレイ棚を設置。
棚が存在感を主張してしまわないよう、6mm角の黒皮鉄フレームの上にガラス棚をのせて、限りなく華奢に仕上げました。
エントランスからオフィス空間へ、ゆるやかに人を誘導する床面のサイン。
のびやかに描かれた曲線が、緊張感のある空間の中でアクセントになっています。
2階オフィスは躯体床をクリア塗装した土間に、一方、防音室や店舗の床はカーペットで仕上げて吸音にも考慮しながら落ち着きのある空間に。
「skeleton&tools」では床の仕上げの異なる3つのプランを備えているため、このように部屋ごとに床の仕上げを変えることもできます。
こちらの実験室のような空間はなんと給湯室。
『オーダーキッチン天板』でつくった長い天板を2枚並べて、壁面いっぱいの作業台を製作しました。
今回のように既存空間であったり、間取りが変えられないような場合でも、必要なサイズぴったりに製作できるのが「オーダーキッチン天板」のよいところ。
作業室には屈強なメタルシェルフ群が並んでいます。
物が増えたら棚板を追加したりシェルフを拡張したりと自由度が高いので、オフィスでの資材整理におすすめです。
男子トイレの手洗いスペースには、曲線的な『ウェルラウンドシンク』に、金物の風合いが楽しめる『メタルフレームミラー 鉄』を合わせて、空間を引き締めました。
その上空でやわらかな灯りを放っているのは『カプセルライト クリア×シルバー』。
壁は既存タイルを上から真っ白に塗装しました。特別な意匠をほどこしているわけではないけれど、アノニマスな空間の中で、ひとつひとつのアイテムがバランスよく引き立てあっています。
こちらのトイレには、ローライズの『スクエア洗面器』を用いて洗面カウンターを造作。
ミラーの上下から放たれる間接照明で、手を洗うたびに高揚感に包まれそうです。
そして最後に、廊下の共用部にぽつんと置かれた『アイアンスタンドシンク ブラック』。
どことなく某SFフューチャー映画を彷彿させるのは私だけでしょうか……。
なんともソリッドな空間です。
既成の内装を一度剥がして、真っ白に包み直し、必要なモノをインプットしていく。
ミニマルな操作で端正に仕上げられた「skeleton&tools」事例でした。
現場からは以上です。
株式会社final
音響工学の研究からイヤホン・ヘッドホンの開発・製造までをすべて自社で行う日本のオーディオブランド。再生音のクオリティは音楽体験に大きな影響を与えると考え、世界でもトップクラスと評価の高いハイエンドの平面磁界型ヘッドホンから学生でも手の届くエントリークラスのイヤホンまで、価格に関わらず音楽から高揚感を得られるような音質設計を行っています。
ツールボックス工事班|TBK
toolboxの設計施工チーム。
住宅のリフォーム・リノベーションを専門に、オフィスや賃貸案件も手がけています。
ご予算や目的に応じ、既存や素材をうまく活かしたご提案が特徴です。
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※毎週水曜日の13時から15時まで、東京・目白ショールームに施工チームがいます。工事に関するご相談も承っておりますので、この時間もご活用ください。
紹介している商品
※「カプセルライト クリア×シルバー」は後継品につき一部仕様が変わりました。