まず目に入ってくるのは、天井いっぱいに張られた板張り。
面積たっぷりと木があしらわれているので、それだけで上質のある印象を感じることができます。
そして、天井とリビング床の”木”にサンドウィッチされてキッチンの床や壁には、硬質の”磁器質タイル”が使われています。
木と石の対照的な質感が、お互いの持ち味を引き立て、一層高級感ある雰囲気にしてくれています。
さらに印象的に写ってくるのは、長さ2.5メートルの大きな無垢のダイニングテーブル。
そんな大きなサイズにも関わらず、足元のスペースをスッキリ見せるため、テーブル脚2本で支えられています。
おかげで、遮るものがなく、キッチンの壁際まで視界を見渡せますね。
そんな細部までこだわったキッチン空間の中に、黒いダクトレールと、アイアンの棚受け金物が、さりげないポイントで空間に効いています。
キッチンからの眺望も素敵。
天井の木目に沿ってそのまま外へ目を配ると、都心のビル群が見えます。
料理をしながら、景色を楽しめたり、夕食をしながら夜景が見れたり、居心地は最高ですね。
時間の経過とともに、窓から差し込む光の影が変化していくのもまた居心地を感じる要素。
いろんな風景を体感できるこの場所は、ずっと居たくなる、そんなキッチンです。
お部屋のどこかにお気に入りの場所があるっていいなと思わせてくれる事例でした。
(オビ)
向坂建築設計事務所
住宅や店舗、オフィスの新築やリノベーションを手掛けます。
空間の持っているポテンシャルを最大限に引き出しながら、言葉にすることが難しい部分を捉えて形にしていくことを大事にしています。