目の前を川が流れる眺望が決め手となったという、リバーサイドに建つマンションリノベーション。
「リビングとダイニングが一体になった空間をつくりたい」というお施主さんの要望を受け、主役になったのは、窓の正面に配置したコの字型のダイニングキッチンです。
モルタル天板を平行に2枚、そこに木天板を突きつけました。モルタルのキッチンに木のダイニングカウンターを並べたような構造です。
一つのキッチンに、2つの素材の天板を取り入れる斬新なアイデア。モルタル天板は、躯体現しとした天井・壁と風合いがよく合い、空間をまとめています。一方で、一辺を木天板とすることで、軽やかな印象も。
コンロは油はねや汚れなどを考慮して壁側のモルタル天板に、シンクは窓向きの木天板に配置しました。
木天板をダイニングとして分けるのではなく、あえてシンクを配置することで、キッチンを拡張しながらも、ダイニングカウンターとして機能する、ダブルワーカーのような存在になりました。
キッチン兼ダイニングカウンターの木天板は、バーチ耐水合板に水や汚れに配慮した特殊液体ガラス塗料で仕上げました。シンクとしては水濡れや汚れは気になるけれど、ダイニングとしては木がよく合う。そんな懸念をクリアできる仕上げにしました。
シンクは木天板の開口に上からはめるオーバーシンクという形状のもの。ブラックのシンクにブラックの『ハンドホース水栓』を合わせて、空間を締めています。
キッチン周り、特にシンクはステンレス製が一般的ですが、こちらのシンクはクォーツ製。マットな質感が木天板によく合い、ダイニングの雰囲気を邪魔しません。
実はこちらのキッチンでは、ステンレスがあまり使われていないことに気がつきます。定番素材を使わないことで、キッチンらしさを削ぎ落とし、リビングの延長として溶け込んでいます。
木天板のダイニングカウンターを介してキッチンと一体化したリビングルームには、木天板と揃えた白樺のフローリングを採用。照明やハンガーパイプのブラックで締めつつも、温かみのある空間になっています。
「自然とダイニングで過ごす時間が増えました」とお施主さん。毎日キッチンに立つ時間も景色を眺めながら。その眺望や食事を求めて家族が自然と集まったり。
キッチンとダイニングカウンターを兼ねた木天板が、この家の良さを生かし、家族をつなげる存在になっているのだと感じました。
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- 「クリアブラックIHヒーター 3口 W600(200V)」は販売を終了しました。
株式会社アートアンドクラフト
建築設計/施工/不動産仲介/建物再生コンサルティングのプロ集団です。
大阪・神戸・沖縄を拠点に、マンション1室からビル1棟まで既存建物の再生を得意としています。
大阪R不動産も運営しているtoolboxのグループ会社です。