「オシャレは足元から」なんて言葉がある通り、家の足元である「床」も大切にしたい!
ということで、今回は床に一工夫ある事例をご紹介します。
「家全体で、使う床材が少ない方が統一感が出ていい」と考える方も多いかもしれません。しかし、部屋の用途や気分に合わせて床材を変えることで、自分の暮らし方にあった家が出来上がるのではないでしょうか。
まずは、リビングのご紹介。ずっと眺めていたくなる、まるで美術館のように美しい空間です。
そんなリビングで一際目を引くのは、『パーケットフローリング』。
欧米の美術館などで見かける事の多いパターンのある床。寄せ木細工が織りなす雰囲気が、お施主様が集めた名作家具をまるで「展示」しているかのように見せていて、相性は完璧です。エアコンの設置に来た業者さんに「お店ですか?」と聞かれたこともあるそうです。
薄いグレーの壁や規則的に走ったライティングレール、埋め込みのダウンライトは、自らの主張を抑え脇役に徹する事で、自然と視線が床や家具に集まります。
そんな素敵なリビングの手前側、キッチンを見てみると……
こちらはリビングとは打って変わり、床面を塩ビタイルに切り替え、さっぱりと清潔感のある空間に。
ダイニングにも、リビングと同様に木製家具が置かれています。無彩色且つ、整ったテクスチャの床が木の彩りと質感を浮き上がらせています。同じ空間の中でも床の違いで家具の見え方が変わって面白いです。
一続きの部屋の中でも、床が切り替わる境界を跨いだら、きっと気分が変わって……。
床の切り替えの工夫で、空間と気持ちを緩やかに仕切るアイデアです。
グレーの床に色味を合わせて、キッチン設備をステンレスに統一。リビングとの空間の違いがより際立って感じられます。
『フラットレンジフード』はピッタリと梁に合わせて設置し、すっきりと納まっています。
続いては、奥に見えるガラス戸の先を覗いてみましょう。
音楽関係のお仕事に就くお施主様が、機材の運搬が行いやすいように、リノベーション前よりも幅を広げた玄関スペース。
玄関から見てみるとガラス戸で視線は抜け、途切れる事なく奥まで伸びる「パーケットフローリング」。なんだかリビング奥へと誘われているようで「我が家に帰ってきた」という安心感を増幅させてくれるように感じます。
玄関を入って左手側には、お仕事の為に完全造作で作られた防音室があります。
こちらの床に使ったのは、ヘリンボーンフローリング柄の塩ビタイル。寄木のパターンを用いて、リビングや廊下との統一感をつくりつつ、仕事部屋として他の空間とは気分を変えて過ごせそうです。
「防音室はこだわっただけあって、ずっとこもって作曲したり演奏しています」と、お仕事に集中できるご様子のお施主様。
細かい板幅の柄を採用していることで、コンパクトなスペースながら圧迫感を感じにくいことも、作業に集中できる秘密かもしれません。
最後に寝室のご紹介です。皆さん床の色にご注目下さい。
リビングと同じ塩ビタイルを使っているのですが、少し暗めの落ち着いた色合いになっています。
床に合わせて、壁天井の塗装も他の部屋よりも濃いグレーに。深い色味で構成された寝室は、自然と心が安らぎ、日々の疲れを癒すにはピッタリの空間です。
家の中の場所に合わせて床材を変え、その場所で過ごす気分も変える工夫。
床への少しのこだわりで、毎日の過ごし方に心地の良いリズムが生まれ、快い日々を過ごせそうです。
ゼロリノベ(株式会社グルーブエージェント)
「大人を自由にする住まい」をコンセプトに、家を買うことで自由になる「家のさがし方」「家のつくり方」を提案するリノベーション会社。
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