先日、テレワークになったことをきっかけに、親子3人で地方へ移住した友人の家に遊びに行きました。自然豊かな環境の中で、のひのび暮らし生き生き働く友人の姿をみて、「地方はちょっとハードル高いけど、郊外というのはアリかもしれない」と思っていたら、家の外の環境だけでなく家の中でも自然を感じる、郊外の戸建賃貸に出会いました。

ご紹介する「秋津町の家」が建つのは東京都東村山市。周辺にちらほらと畑が残る、のどかな住宅地です。2階バルコニーから見えるのは、隣の植木屋さんの木々の緑と郊外ならではの広〜い空! 約4畳あるバルコニーは、ウッドデッキと木の囲いが設けられていて、ここでお昼ご飯を食べたり、夕涼みをしながらビールを飲んだりしたら、気持ちよさそう!

バルコニー越しに空と緑を眺めながら作業できる対面型のキッチンは、『オーダーフレームキッチン』。レンジフードは『フラットレンジフード』でキッチンとお揃いのステンレスです。仕事の合間にお茶を淹れたりお昼ご飯を作る時間も、この景色を眺めながらならリフレッシュになりそうです。

「採用理由の一つは、シンプルでカッコいい!ということ。傷や汚れに強いステンレスの特性を活かして、家族みんなで楽しく料理をしながら使い込んでほしいです」と話すのは、この賃貸戸建の貸主であり、設計施工も手がけた相羽建設さん。

もう一つの理由は、ステンレスという素材は無垢の木の床と相性が良いと思ったことだそう。「秋津町の家」の床一面に使われているのは、無垢のパイン材フローリング。スリッパを履くなんてもったいない! パイン材の肌触りややわらかさを、裸足で堪能したくなる空間です。

「時間が経って色が濃くなった床と『オーダーフレームキッチン』との相性は、もっと良くなると想像しています」

こちらのおうちは賃貸ながら、なんとOMソーラーを搭載しています。OMソーラーとは、太陽の熱や空気を使って家をあたためたり、お湯をつくることができるエコシステム。冬は太陽の熱であたためた空気を床下に送り、蓄熱コンクリートに蓄えて、ゆっくり家をあたためてくれるのだそう。

無垢材は蓄熱性が高く、調湿作用もあります。夏はさらりとした肌触りを、冬はじんわりと温もりを感じさせてくれる無垢の床との暮らし。エアコンやファンヒーターで乾燥したり埃が舞うことも少なく、清々しい空気の中で暮らせるのはうれしいですね。

1階には個室が2つ。こちらの床も無垢のパインフローリングです。10畳のお部屋は出入り口が二箇所あり、家具で仕切って2スペースに分けてワークスペースにしてもいいし、植木屋さんの緑が見える6畳のお部屋をワークスペースにするのも気持ちが良さそう。

玄関収納はたっぷり。靴だけでなくアウトドアギアもしまえそうなボリュームです。幅があるホールは、壁際に本棚を置いて家族のライブラリーにしても楽しいかもしれません。

2階の洗面脱衣室には、『ミニマル洗面台』と『棚付きボックスミラー』のラワンをお使いいただきました。洗面まわりで一番置きどころに困る細かいものを、洗面台の左右のスペースや『棚付きボックスミラー』に置けるようにしているところに、気遣いを感じます。壁には『ハンガーバー』も添えられていました。

トイレまで無垢のパインフローリングでした。こちらには『ミニマルペーパーホルダー』をご採用いただきました。

『ミニマルペーパーホルダー』や『オーダーフレームキッチン』は無骨な雰囲気がありますが、こういうナチュラルテイストな空間にも案外ハマりがいいんです。

こちらの賃貸戸建てはどの駅からも徒歩20分以上という立地ですが、テレワークが中心の暮らしで駅に行く頻度を考えたら、全然ありな気がします。スーパーやコンビニが比較的近くにあることも「郊外」の魅力かも。

のどかな環境と景色があるだけでなく、家の中でも自然の豊かさを感じられる家で、エネルギーチャージしながら暮らしと仕事を謳歌する。郊外暮らしを始めるなら、こんな家で始めてみたいと思わせられる住まいでした。

相羽建設株式会社

良質な自然素材と職人の手しごとで家や家具、施設をつくる東京都東村山市の工務店。長期優良住宅の基準以上の耐震性能や断熱性能を備え、自然エネルギーを活かしたパッシブ住宅を提案しています。

テキスト:サトウ

関連する事例記事

あわいをたゆたう家
あわいをたゆたう家
必要な機能を配置したら、間を土間と路地で繋ぐ。その路地が行き止まりなく外まで貫通していく家。家の中と外の境界を曖昧にするような戸建てリノベーション事例です。
眺望への期待感を高める、アール天井
眺望への期待感を高める、アール天井
大阪府の中でも豊かな自然が息づく寝屋川市。その高台に佇む一軒家には、眺望と静寂に包まれた特別な空間がありました。
実家と庭と、あたらしい住まい
実家と庭と、あたらしい住まい
今回ご紹介するのは、ご夫婦と子供2人の4人家族のお住まいです。 子供の成長を機に賃貸マンションから一軒家を検討する中、ご主人のお父様の提案で、実家の広い庭を分割して新たに家を建てることを決められたそう。既存の庭をなるべく残すため新築はコンパクトにしつつ、豊かな暮らしをつくる工夫が詰まった住まいをご紹介します。
光と風が通り抜ける。「通り部屋」のある暮らし
光と風が通り抜ける。「通り部屋」のある暮らし
多くのマンションでは、明るい南側にリビング、北側に個室を配置するスタイルが一般的で、北側はどうしても暗くなってしまいがち。部屋全体に光や風を行き渡らせるためには。間取りのヒントとなったのは、京長屋の「通り庭」でした。