今回ご紹介する住宅が立つのは、道路から奥まったところに位置し、細長い路地が道路に接する旗竿の敷地。周囲を隣接地に取り囲まれているため、整形地に比べて通風・日照の確保がし辛いのが特徴です。
そんな敷地の持つデメリットを解消するために、リビングからウッドデッキで繋がった坪庭を設けました。
天井は従来よりも高めにし梁を出したデザインに。床はスギの無垢フローリングを使用。和の雰囲気漂う材と坪庭が相まり、趣深さが生まれています。
坪庭のおかげで明るい光が家の中に取り込まれ、広がりを感じる空間に。四季折々の表情を見せるお庭の様子は、眺めているだけでも楽しめますが、ウッドデッキにでて読書をしたり、子供の遊び場にしたり。暮らしの場としても日々活躍してくれそうです。
ダイニング脇の開口の奥は、大容量の収納を備えた造作の独立キッチンになっています。作業スペースも十分、籠りながら思う存分料理に集中できる環境です。
こちらの窓からも坪庭を眺められ、季節の移ろいを感じながら料理を楽しめます。
階段は、光が抜けるよう蹴上をなくしたつくりに。コンパクトな空間の中で少しでも圧迫感をなくし、景色をつなげる工夫がされています。
階段を上がった先は、本棚を備えた書斎スペースになっています。家族から少し離れて、ゆったり一人で集中できる場所。
光や風、緑など自然を感じられる場所が家の中にあるだけで、開放感が生まれ、ぐっと豊かな空間に。
日本古来からの知恵を、今の時代に相応しいカタチに変えて継承していく。そんな楽しさと懐かしい景色を感じさせてくれる、素敵な事例です。
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