大量のコレクションをどうするか悩んでいたというお施主様ご夫妻。お子さんが生まれることになり、7年間住まれていたマンションを、大量のコレクションを美しく飾りつつも、開放感がある家を目指してリノベーションしました。
白壁に、『遮音フローリング』のナチュラルオーク、主な照明は『モデストレセップ』のホワイトと、構成するマテリアルを絞っているのが印象的。持ち物に合わせた収納設計とミニマムな素材選びで、コレクションを美しく引き立てる住まいになりました。
リビングには壁一面の本棚を造作。以前は本棚が分散していたそうですが、所有している本を1箇所にまとめることができました。本を手にハンモックでゆっくりと過ごすのが至福の時だそう。
ウォークインクローゼットだったスペースは、フリースペースに。お子さんが遊んだり、昼寝をしてもいいですね。
開口部に重ねられた本棚には、本や民藝品を並べて。つながった空間ではあるものの、ゆるやかに仕切られたおこもりスペースになっています。
本だけで埋め尽くさず、置くもので抜け感をつくっていて、リビングとの距離感がちょうど良さそう。
以前から1.5倍ほどの面積に拡張したアイランドキッチン。幅3.6mと大ぶりなステンレス天板を中央に配置し、一段上がったつくりに。
ステージのようなキッチンからは、空間全体を見渡せ、家族とコミュニケーションしやすくなったといいます。
カップボードの上部には、ティーポットやゴブレットなどを飾れる奥行きが浅い棚。一番上は小さいものを飾るのにぴったり!
窯元を巡ってコレクションしてきたという民藝の器は、キッチンの下に造作した大きなショーケースに。器のサイズごとに奥行きを設定したそうで、たくさんの器がぴったりと収まっています。
沖縄の陶器“やちむん”がお好きというご夫妻。厚みがありぽってりとした佇まいや大胆でおおらかな柄を、穏やかな木目が引き立ててくれています。同じくやちむんが好きな私には理想のキッチンです!
ダイニングテーブルの脇はアールの窓辺になっています。陽に照らされる植物を眺めながらの朝食なんて素敵です。
弧を描くバルコニーを中に延ばしたように設けたインナーバルコニーは、モルタル左官仕上げ。寒さに弱い植物も、冬場は室内で管理できます。
ベビーカーが置けるように拡張した玄関の対面にも有孔ボードを活用。鍵や時計などをかけておくのに便利なスペースです。
デスクのようになっているのは、鉱石コレクションのショーケース。ちょい置きスペースを兼ねながら、コレクションを魅せるアイデアです。
器を魅せるキッチンや、本や民藝品の多さを生かした間仕切りなど、モノが多いことと向き合い、モノとの暮らしに合わせて計画されたお家。物量で収集を諦めずに、好きなものを素直に集め続けてもいいかなと思わせてくれる事例でした。
株式会社アートアンドクラフト
建築設計/施工/不動産仲介/建物再生コンサルティングのプロ集団です。
大阪・神戸・沖縄を拠点に、マンション1室からビル1棟まで既存建物の再生を得意としています。
大阪R不動産も運営しているtoolboxのグループ会社です。