「愛猫と植物の暮らしを大切にした家にしたい」という思いから始まった家づくり。物件は、希望のエリアからは離れてしまったものの、3方向に窓があり日当たりが良いこと、広いルーフバルコニーがあることが決め手になったそう。
猫が自由に行き来できるワンルームのような間取りを希望し、ゆるやかに空間がつながる1SLDKの空間になりました。日当たりの良いインナーバルコニーには、植物を並べて植物園のようなスペースも。植物と猫を愛する暮らしをご紹介します。
玄関土間は横長に広くとり、段差を限りなく低くすることでリビングとシームレスにつなげています。壁は、お施主さんのアートを飾りたいというご要望から黒で塗装。あえて天井に照明を設置せず、アートを左右から照らすスポットライトに絞ることで、存在がグッと引き立ち、美術館のような一角に。
窓脇には、キャットウォーク。シューズラックの上から15cmの幅を持たせた窓枠に登れるように猫の通り道を設けました。見た目にはさりげなく、でも快適になるような工夫が素敵です。
リビングの床材は、経年変化を楽しめるチーク材のヘリンボーンを採用。個性的な柄ですが、インダストリアルな照明や家具と合わせることで、デコラティブになりすぎません。
そして、キッチンはベンチと一体になった5.2mのモルタルキッチン!
キッチンにある柱は動かせない構造体だったのですが、空間に溶け込ますことで、ダイナミックなキッチンが生まれました。
そして気になるのは、ベンチに埋め込まれている多肉植物たちではないでしょうか!鉢植えを“置く”のではなく“埋め込む”という手もあるとは驚きでした。ちなみに、砂漠をイメージして寄せ植えているそうです。
キッチンの照明は、『廃材シェードランプ』を2つ並べて採用いただいています。コードを『フラットレンジフード』から続くダクトに巻きつけて位置を調整するアイデアも新鮮!
リビング脇には、たくさんの植物が光を浴びるインナーテラス。
日当たりがよく植物が枯れにくいのでありがたいとお施主さん。特に日本では珍しい塊根植物がお好きだそうなのですが、環境を整えてあげないと枯れやすい繊細な植物なため、植物専用のインナーテラスができて満足されているそう。
仕事前にコーヒー飲んだり、植物と触れて気持ちを切り替えたり。植物好きなお施主様の特等席です。
そんな植物を眺められるのは、インナーテラスだけではありません。実は浴室がガラス張りで、窓からの光を取り入れながら、植物や猫が視界に入るようになっているのです。
白タイルが合わさって、クリーンな印象。浴室はやっぱりタイルが映えますよね。バスタブはハーフタイプのユニットバスを使うことで、ユニットバスの機能は活かしつつ、こだわりを盛り込むことができました。
洗面も白タイルを採用した明るい空間。『マリンデッキライト』のシルバーを合わせて、スタイリッシュな印象に。
三面鏡のサイドには造作棚を設置して収納を確保。洗面台も造作で、金物はタオル掛け用の『ハンガーバー』のみ。なるべくすっきりとさせるため、把手や収納扉などは排除したそうです。
ここに愛猫の快適さと見た目に配慮した工夫が。実は、洗面台の下に猫用のトイレがあるのです!側面から猫が出入りできるようになっており、引き出しを開ければトイレ掃除ができます。猫は落ち着いて用が足せる上、見た目もすっきりさせるアイデアです。
インナーバルコニーと浴室の間を抜けた先は、書斎とウォークインクローゼット。
床材を切り替えて、離れのような空間にしました。フルリモートで仕事をされているため、家で過ごす時間が長いというお施主様。仕事中はあえてメインルームと離れることでメリハリが生まれそうです。
木格子とガラスで仕切った寝室。リビングと視覚的につながっている空間ではありながらも、壁に古材を使うことで、温もりを感じる空間に。見えないところに猫用の扉を設けていつでも入ってこられるようにしています。
全体的に明るく開放感のある家ですが、トイレは真っ黒!モールディングを施し、シックな雰囲気に。真鍮のペーパーホルダーが高級感をプラスしています。開放的な空間とは対照的に、まさにこもるためのトイレ。狭く暗い空間で落ち着きたいこともありますよね。
実はほとんど建具を設けていない、とにかく開放的な空間。浴室をガラス張りにしたり、トイレを真っ黒にしたり、思い切りの良さが気持ちいい!ひとりと2匹とたくさんの植物たちがのびのびと生きることを追求した事例でした。
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