コミュニケーションの生まれる団地。それをイメージしてできたのが、この団地「ミノリテラス草加」!
東武伊勢崎線「草加」駅と「谷塚」駅の間に位置する、元々は東武鉄道の社宅だった場所で、全部で4棟からなる団地の3棟をリノベーションしました。
「稔る(みのる)」という名前に込められた通り、中央の広場が地域コミュニティのハブとなるよう、プロジェクトのスタートの段階からコミュニティマネージャーを巻き込み一緒に計画を進めてきたのだそう。
その役割を担うのは、草加の街でローカルなコミュニティをつなぐ活動を行ってきた株式会社ソウカブンカです。
そして、設計に関わったのは、グループ会社のスピーク。
「子育てし易い環境づくりを目指してファミリー向けにリノベしました。元々あった空き地を、住人のファミリー、近隣の方々が気軽に集まれるような場所にしたいなと。街のリビングをコンセプトに設計を進めていきました」
外の仕掛けも気になるところですが……。まずはtoolboxの商品を取り入れてくれた内装からみていきたいと思います!
部屋タイプは3タイプありますが、今回は最上階4階のお部屋を深掘り。
階ごとにターゲットを定めていて、4階はDINKS向けの54.53㎡。時間をかけながら暮らしを楽しんで欲しいと余白を他の階よりも多めにしてあります。
間取りは、1LDK。
最上階であり、眺めがとても良いので開放的な間取りに変更。
リノベ団地に興味を持ってくれる方は、間取りも自分で工夫して住むのではないかと考えて、がっつり部屋を仕切るのではなく、仕切りを取っ払い広いリビングにしたそうです。
そして、注目したいのは床!
廊下からリビング、寝室まで『継ぎ無垢フローリング』のアカシアを採用いただいています。
ユニタイプという縦方向に短い板を継いだつくりなので見た目もランダム。反りの懸念も少なく、マットなウレタン仕上げのため、基本はメンテフリー。賃貸オーナーさんに人気の材ではありましたが、今回は全タイプ床がこの仕様に。玄関を開けた瞬間から、おっと目にとまるのではないでしょうか。
それでも、賃貸で無垢の床を使用するのってなかなか珍しいよなと思い、「継ぎ無垢フローリング」を取り入れた理由をスピークの設計担当に聞いてみました。
「床は空間の質感を決める重要な部分なので、こだわりました。賃貸物件の無垢フローリングは確かにチャレンジではありますが、毎日触れる場所だからこそ、質感や無垢の表情を楽しんで欲しいなと思います」
続きまして、こちらも木を取り入れたキッチンをみていきましょう。
キッチン本体は『木製ミニマルキッチン』のラワン。レンジフードは『キューブ型レンジフード』を採用していただきました。
4階はあえてフロートタイプのキッチンにして、収納は居住者がカスタムする自由を残しています。
真ん中は一部引き出しになっているので、カトラリーとか細かなものは入れられますし、下にはワゴンやゴミ箱を入れたりしたらいいのかななんて思います。
キッチン上には『リングの棚受け』を使用して収納棚を設置。
上下に棚板を付けれるタイプの棚受けなので、もう少し棚が欲しいと思った時には自身で棚とビスを用意して、板を上に一段取り付ける。そんな風に収納部分を増やすこともできそうだななんて思いました。
コンロはしっかり4口。『ガスコンロ ステンレストップ 4口』です。
しっかり料理をしたいという方にも、楽しんでいただけるのではないかと思います。
そんなキッチンを少し引いてみると、梁のところに木の棚板が取り付けられているのが見えます。
梁下を覆うよう取り付けられたこの棚板は、本や雑貨などものを置けるスペースが奥行き20cmほどあります。また、左側にはコンセントを設置。ここに間接照明や小型のスピーカーを置くこともできちゃいます。
建物の構造上取り壊せなかった梁に、役割をつけて活かす作戦!いいアイデアです。
リビングの隣の部屋にはオープンな収納が設置されています。
季節の変わり目に衣替えをして、よく着るものをここにかけるみたいな運用がいいのかななんて妄想してみました。
オープンなつくりなのでかかっているものがよく見える。だからこそ、洋服までもがインテリアの一部になったりしそうで、服好きとしてはいいよなと思いました。
収納繋がりで、続いて玄関へ。可動収納棚が設置されています。
高さを自由に変えることができるので、靴だけでなく、アウトドアグッズなどの大きなものも収納可能なのが嬉しいところです。
キッチンとリビング、どちらもベランダへと繋がる、大きな窓があります。
窓を出て、ベランダに出ると見えるのはこんな光景。
大きな空き地だった部分を広場兼コミュニティファームのオーガニックにこだわった畑として生まれ変わらせています。
ふと視線を外にやった時に、畑作業をする人の姿や広場で遊んだり寝っころがる人の姿が見えると、微笑ましく穏やかな気持ちになれそうです。
また、左側をみると線路がすぐ側に。電車が行き交う様子が見えるので、電車好きにはたまらない光景なのではないでしょうか。
ちなみに、こんなに線路が近いと電車の音が大きいんじゃないかと気になる方もいるかもしれませんが、窓を閉めていると、音が聞こえはするけどそこまで気にならないなという印象でした。
下に移動してみると、広がるのは大きな広場。
右側のぽこっと膨らんだ丘は、工事で出てくる土を再利用したものなんだとか。
野菜作りの畑が並び、ここに住む人たちはもちろん、ここに住んでいない地域の人たちで植物を一緒に育てたりできるようになっています。
A棟の1階部分だけは住居ではなく、シェア工房やイタリアンレストランがオープン。
それに伴い、大きなデッキが広がっています。広場と合わせて、収穫祭やマルシェなど季節のイベントを交えながら、まちのリビングとしての活用も計画されています。
広場で子どもと遊んだり、店でごはんを食べたり、みんなで畑の世話をし収穫を祝ったりと、家のすぐそばにコミュニケーションのきっかけとなる環境がたくさん。
さらに、地域に根差したコミュニティマネージャーが常駐しているので、サポーターとして住人や地域のハブにもなってくれるのも頼もしい。
シェア工房では工具の貸し出しをしていたり、ワークショップを開催しています。
ちなみに、「Tacasi」というレストランでは、イタリア料理をいただけます。ここも同タイミングでリノベーション。アンティークの家具が並んでいたり、料理だけでなく内装も楽しめます。
様々な要素が詰まったこの場所で、これから先もどんどん素敵な景色が広がっていきそうで、育っていく様子を楽しみにしたいなと思います。
こちらの物件は現在、R不動産で入居者募集中!
今回はA棟の4階をご紹介しましたが、その他のお部屋も募集しています。
詳しくはこちらから。気になる方はぜひ内見にいってみてください。
また、近隣にも開かれた団地ですので、イタリアンのお店やシェア工房やイベントなど、Instagramなどで情報をみて訪れてみてください。
Instagramライブでは、各階の様子を紹介しています。
株式会社スピーク
不動産のセレクトショップ「東京R不動産」を運営。
建築・不動産の開発・再生プロデュース、建築・インテリアの設計・デザインも行っています。
toolboxとグループ会社です。