壁に囲まれ閉鎖的になっているキッチンをみんなが集まる明るい開放的なキッチンにしたいと依頼をもらいました。最初はキッチンだけの内容でしたが、話をしていくにつれて妄想が膨らんでいき、最終的にはLDK全体へと広がっていきます。
キッチンは、兼ねてから憧れのあった木天板に。主張が強くなりがちな対面キッチンも、空間にとけこむ色味の素材にすることで存在感を調整しました。床から伸びたキッチンカウンターとしてのアカシア天板はLDKの主役。主張しつつも温かみのある空間へと変わっていきました。床の『スティルオークフローリング』と庭の緑をうまく調和しています。大きいボリュームながら重くなりすぎないのは、正面に見える白いパネルとカウンターとしても使える跳ね出しの工夫をしております。
背面の壁には、キッチン空間を強調させつつも雰囲気を壊さないよう、様々な色を吟味し最終的に天板と同系統の温かみのあるアクセント塗装を行いました。また、アクセント壁に設置する棚板に関しては、壁を引き立てるため、インロー金物を使用して金物が見えないようにしております。両端に隙間を開けて棚が浮いているように見せることで、さりげないアクセントになりました。
上部には明るさだけでなくアイコンとしても映えるように、ブラケットライト『モデストレセップ』を合わせています。
キッチンを仕切る壁を無くしたため、レンジフードは『キューブ型レンジフード』を天井に設置してすっきりとした印象に。吊り金物などの部材を見せないため採用しました。
キッチンの面材やレンジフードの印象が強くならないようにアクセント以外の壁はレンジフードと近似色で塗装、また露出のダクトも合わせて白のカラーダクトで統一しております。
キッチンシンクは、『クォーツシンク』を採用。陶器の重さやSUSの硬さにはないスムースな存在が家具のような印象を出せます。
今回は、住みながらの部分リフォームとしてまずキッチン空間を変えていきました。今後も住みながら、洗面やお風呂などを順番に手を入れていき、時間をかけて自分好みの部屋作りをしていく予定だそうです。
家族とともに生活してきた軌跡を辿りながら今の暮らし方を見直し、ブラッシュアップしていく過程を引き続きレポートしていきたいと思います。
現場からは以上です。