築14年と比較的新しいマンション。ファミリー用に計画された間取りは、一人で暮らす住まいとしては部屋数も設備も合っていませんでした。お施主さんの暮らしに合うように編集し直すことからはじまったリノベーション。完成したお部屋を早速紹介していきます。
もともとは収納たっぷりのシステムキッチンでしたが、間取りの変更とともに、シンプルなキッチンに。
採用されたのはステンレス天板だけからなる『オーダーキッチン天板』で、収納はありません。自分の荷物の量に合わせて必要な収納を天板下や周辺に棚を用意することで自分に合ったキッチンスペースが作れます。
ニッチにはお施主さんこだわりの食器やコーヒー道具を飾ります。
清潔感のある白でまとめられた洗面空間。
必要以上の棚は設けず、ニッチとライニングを設けることで、空間に邪魔することなく物置場が作られています。厳選された一番選手のものだけを表に出す、ここでもシンプルな暮らしが伝わります。
キッチンや洗面のシンプルな空間とは対照的に、居住空間は壁いっぱいの本棚が用意され、趣味のレコードやカメラを並べられるように計画されています。さらに壁や天井の仕上げは、躯体現しの荒々しさがあるのも特徴です。
間仕切り壁の内側はベッドスペースに。
天井まで壁を作らずとも、少し壁を立ち上げることで籠り空間になり、コンクリートのラフな風合いも相まって、落ち着く空間になっています。枕元の照明は『トグルスイッチ』とともに、壁のアクセントに。
ドア枠や巾木をなくし、空間の線を少なくすることで、すっきりと無駄のない空間にしています。躯体現し、白塗装、優しいシナの木目。それぞれの素材が持つ特徴がちょうどよく混ざり、ミニマルなシンプルさを感じつつも、温かみも伝わってくる素敵な事例でした。
ASTER |有限会社 中川正人商店
熊本を中心に活動するリノベーション専門店。